写真を始めたきっかけは伝わらないもどかしさから。
施設で美容のプロジェクトを立ち上げ、イベントを繰り返し
参加された方からは、
「またやって」
「お金払ってもいいからやって」
と必ず毎回言われます。
私達がやってきたのは
介護が必要な方も、自立でお元気な方も一緒になって楽しめるイベントです。
みんな笑顔で優しい時が流れるキラキラした優しいい空間です。
でも、その空気感や、笑顔はその場にいないと感じることはできません。
綺麗になってウキウキした気分で部屋から出ても、業務に追われるスタッフはにその変化に気づかないことが多いです
とっても残念なこと
お化粧をして綺麗になるということは、社会との繋がりを意味します
無人島やしの木に一人でいたら私もお化粧なんてしないです。
介護のお仕事で一番大切なのは気づくこと!!
おむつ替えが上手なことや早いことが良い介護ではないと私は思います。
そんなのは、これからAIパソコンのがずっと上手に出来ちゃう時代がきます。
顕在していることだけに目を向けているだけの介護ではダメなんです。
以前こんなことがありました。
立ち上げたプロジェクトを広げる時でした。
初めてイベントを行う施設の男性スタッフに
「うちの入居者はやってもわからないと思うな。」
と言われました。
彼の勤める施設は完全介護型、要介護3~5の方がほとんど。
彼が出会う人たちはもう既に要介護状態になってから。
食事も介助でオムツ使用。着替えも自分で出来ない。
コミュニケーションも難しい。
それまでの生活や情報は書類本のみ。
そう思うのも仕方がないことかもしれません。
イベント当日、
あえて彼にカメラマンカメラをお願いしました 。
自分の目で見て欲しかったから。
イベントの最中に彼から出た言葉は
「凄いですね!!」
「凄い綺麗です!!」
「○○さんめちゃくちゃ綺麗になってます!」
彼自身も、イキイキとした表情でテンションが上がり
イベントが終わるころには
「やっても意味がない」
と冷めた表情で言っていた人と同一人物とは思えないくらい変わっていました。
彼を変えたもの
それは、メイクをした顔を見ていたのではなく
ファインダーを通して、潜在していた女性としての喜びが溢れている表情やオーラを見たからです!
上手く言えないですが
HAPPYは感染します
私達が楽しい気分になり
高齢者が楽しい気分になり
さらに私達も楽しい気分になり
それを見ている人も楽しい気分になってしまう
HAPPYがグルグルと回りだし。部屋中幸せな空気が充満します
と、ここで
話を戻しますが
人は五感で感じます。
口頭でいくら良さを伝えようとしても、文章で伝えようとしてもなかなか伝わりません。
本当は彼のように、その場にいてもらうのが一番なのですが
そういう訳にもいきません。
なので私は
映像でこの空気感を少しでも伝えて行きたい!
というのがカメラを始めたきっかけです。
綺麗になった姿をさらに美しく残したいと思ったきっかけはこのおばあちゃんとの出会いから
その話はまた今度。