先日、90代で都内で写真館をご夫婦で営んでいたおばあちゃんのお写真を撮りに行ってきました。
ご自分もずっとお客様の写真を撮られていたと言うのでとても緊張しました。
90代でも認知症も無いし、プロ意識は高いし、価格についてもリサーチして納得して決めたと(すごっ)
「人の写真は何千枚も撮ってきたけど、自分の写真は無いので撮りたいと思っていたのだけどチャンスがなくてね。」と。
めっちゃお手並み拝見な感じ(汗)
「訪問する 街の写真館」
を目指している私にとって、おばあちゃんとの出会いは
フィルム時代の
家族が記念日に写真館にいく時代の
街の信頼するカメラマンの
成長をとり続けるカメラマンの
この仕事をしていく上で忘れてはならない、大切なことを教えてもらえる時間となりました。
さて、そのおばあちゃん。何がすごいかと言いますと。
ポージング(ポーズを取ること)ができてしまう!
照明のセット位置、体の角度、自分の顔がどの位置から撮ると良いかと言うこと、そして指の先まで行き届いた神経!
テーブルに肘をついて、身体の向きを正面から少し斜めに
肘をついている右手は顔に手がかからないように耳近くに、左手はそっと右腕の上に添える。指先まで綺麗。
当然のことながら緊張感なし!
顔に手を持っていくとほとんどの方が手で顔を潰してしまう。
「むにゅっ」って感じで。
ところが、このおばあちゃん・・・・
右手をよく見てください。
顔ではなく、顔の少し後ろで・・・・
すこーしシワを伸ばしてるんですね〜!!
わかりますか?
ここまで気を配れる90代の方は初めてでした。カッコ良かったです!
後日、お写真を納品してアンケートでいただいたお言葉。
「白い円卓があって、良い写真が撮れた」
そして・・・・・
「気持ちを引き立たせる上手いカメラマンさんだと思った」
出来上がった写真に満足していただくのはもちろんだけれど、私が一番大切にしているのは、メイクと写真を撮っているその時間をどれだけ幸せな時間に出来るか。
大大大大先輩の女性カメラマンにいただいた言葉に嬉しくて泣きました。
当然技術は必要だけれど、対人のお仕事はメイクにしても写真にしてもコミュニケーション能力が一番大切だと思うのです。
初めましてのお客様をどれだけ瞬時に大好きになれるか。
それを鍛えられたお話は次回。